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TouchDesignerのBlur TOPについて。

TouchDesignerのBlur TOPについて。

Blur topとは

Blur topは入力されたあらゆるtop要素(イメージを画像、動画、テキストなど)にぼかしをかける機能を持っています。TouchDesignerのオペレーターにおいて最も初歩的ですが、とても重要なオペレーターなのでこの記事で解説していきます。

 

テキストにBlurをかけて、Blur TOPの基本操作を理解する。

まず、何もないところでダブルクリック、もしくはキーボードの"TAB"でオペレーターダイアログ(OP Create Dialog)を開きます。「TOP」のタブを選択し(デフォルトではすでに「TOP」のタブになっています。)、左上に検索フィルターをかけるところがあるので、そこに"blur"と打ち込めば簡単に見つけることができます。打ち込まなくても選択はできます(画像01)。

オペレーターダイアログ

画像01

Blur TOPを置くことができたら、同じ要領で[Text TOP]を設置します。

・キーボードの"TAB"キーを押す。

・「TOP」のタブを選択する。

・検索フィルターに"text"と打ち込み、[Text TOP]を選択する。

[Text TOP]のパラメーターウィンドウです。

画像02

[Text TOP]をクリックし、パラメーターのTextに好きな文字を打ち込んでみましょう。私はBlurにしました(画像02)。 

[Text TOP]のフォントサイズを変更するパラメーターの画像です。

画像03


次に「Font」タブに移動して、パラメーターの"Font Size X"を 調整します。私は70にしましたが、それぞれ任意の値にしてみてください(画像03)。

[Blur TOP]のパラメーターウィンドウです。

画像04

さて、準備は整いました。[Text TOP]から[Blur TOP]にノードを繋げてみてください。テキストにBlurがかかりました。ここから[Blur TOP]のパラメーターについて解説していきます。

Blur TOPの"Pre-Shirink"と"Filter Size"について。

 まず、"Filter Size"についてです。画像04ではFilter Sizeを20にしています。これは20ピクセル分のぼかしをかけていることになります。数値を大きくすればBlurが強くなり、反対に、数値を小さくすればBlurが弱くなります。

パラメーターのバーでは0から32までしか調整できませんが、直接数値を打ち込むことができます。しかし、数値が大きければ大きいほど処理のスピードが下がってしまいます。

 そこで役に立つのが"Pre-Shirink"です。直訳すると"事前収縮"です。これは入力(ここでは[Text TOP])の解像度を事前に下げることで、その分の処理スピードを速める役割があります。[text1]の解像度は256×256で、Pre-Shirinkの値を2にすれば1/2の解像度、4だと1/4の解像度ですむといった具合です。また、解像度の低下によって"Filter-Size"も縮小することができ、これもまた処理のスピードを速める要因になります。

 

画像05はPre-Shirinkを使ったものと使わなかったものを比較したものです。

 

上の[blur1]はPre-Shirink→1、Filter Size→20

下の[blur2]はPre-Shirink→4、Filter Size→4

 

下の[blur2]は解像度を1/4にすることでFilter Sizeが[blur1]と比べて1/4の量で済んでいます。そして、両者には見た目の違いはほとんどありません。しかし、Pre-Shirinkの値を大きくしすぎると元の画像との見た目の差が出てきますので、丁度いいところに調整してみてください。

[Blur TOP]のPre-shirinkについての画像です。

画像05

処理のスピードというのはプログラミングにおいてとても重要です。インタラクティブコンテンツやVJを手掛ける時に、タイムラグがあっては台無しになります。特にTouchDesignerは高度なことができる分、相応のメモリを使います。たかがBlurですが、細かいところのメモリの節約が必要になってきます。

Blur TOPの"Method"について。

  Blur TOPの"Method"パラメーターはblurの適用方法を設定することができるものです。デフォルトでは"Horizontal and Vertical"となっていますが、これの他に"Horizontal"と"Vertical"が選択できます。Horizontalは水平方向にblurを適用するもので、Verticalは垂直方向にblurを適用します。つまり、デフォルトはその両方に適用されていることになります。

[Blur TOP]のmethodパラメーターについての画像です。

画像06

Pre-shirinkを2に、Filter Sizeを10に変更し、それぞれ見ていきます。

画像07はHorizontalにし、水平方向のみにblurを適用しています。

[blur TOP]のパラメーターのmethodをHorizontalに変更した画像です。

画像07

画像08はVerticalにし、垂直方向のみにblurを適用しています。

[blur TOP]のパラメーターのmethodをverticalに変更した画像です。

画像08

HorizontalもしくはVerticalを選択している時に"Rotate Kernel"の値を変えるとblurの向きを変えることができます。

[blur TOP]のパラメーターのrotate kernelを変更した画像です。

画像09

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

他にも"Sample Step"の値を変えてみたり、Commonタブの"Channel Mask"などをぽちぽちいじってみると楽しいですよ〜